言葉を失ったあとで / 信田さよ子・上間陽子
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教育学をバックグラウンドに沖縄で主に十代の女性を対象とした社会調査に取り組む上間陽子氏と心理士としてながねんカウンセリングを行ってきた信田さよ子氏とのオンライン対談をまとめた一冊です。
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お二人が、面会した人々の話を聞きながらその背景に抱える悩みや課題について深く掘り下げつつ、普遍的な被害や加害の関係性への語り合いはとても読み応えのあるものです。
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性被害が年月を経て明るみになることについて、「いまその記憶を思い出しても、ちゃんと支援してくれる専門家や仲間がいる、大丈夫だと思ったときに、フラッシュバックや想起が起きるんだと思うんです。」と信田氏は語っています。報道などで耳にする出来事の奥深くには、ひとりひとりの時間の流れと周囲との関係性も関係していることを気づかされます。
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専門用語もほとんどでてこない対談なので、とても読みやすいです。
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・著 者:信田さよ子・上間陽子
・発 行:筑摩書房
・発行年:2021年11月
・四六判、352頁