ダーチャ 失われゆくソビエト時代の小屋とコテージ /フョードル・サヴィンツェフ(写真)
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2000年代初頭、ダーチャという言葉をよく耳にした時期がありました。ロシアの別荘のことと理解していましたが、もうすこし深める必要がある言葉のようです。
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「ダーチャとは建築であり、かつ文化でもある。かつてダーチャに住むダーチニキは、尊敬されながらも不信感を抱かれる特有のタイプの人が多かった。(中略)ダーチニキにとってダーチャとはいつの時代においても都会の喧騒、人混み、夏の暑さ、疾患からの避難地であり(新型コロナウィルス感染症パンデミック時にも多くの都市居住者たちがダーチャに避難した)、都市における社会的・政治的制約から離れることができる隠れ家であり、威圧的な状況から適度に解放され、仲間と集うことができる安らぎの場なのだ。」と作家でありロシアの園芸家のアンナ・ベン氏は記しています。
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本書では、ソ連時代に都会に住む人々の別宅として建てられた「ダーチャ」を集めた資料集です。様々なタイプの建築があります。お隣フィンランドの古い教会にも近しい建物もあれば、バルト三国にも見られるような木造の家も。急速に消えていく歴史の記録が収められている見応えたっぷりの一冊です。
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・写 真 :フョードル・サヴィンツェフ
・エッセイ:アンナ・ベン
・訳 者 :石田亜矢子
・発行元 :グラフィック社
・発行日 :2024年12月
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・A4変型ソフトカバー/240頁