増補 もうすぐやってくる尊皇攘夷思想のために /加藤典洋
¥1,958
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文芸評論家の著者が、2015年以後から亡くなる1年前までにいくつかの雑誌に寄稿した文章や講演ではなしをしたことをまとめた一冊。
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徳川末期の身分制度を内側から崩壊させ、明治時代を迎えたものの、その「崩壊させたこと」への解明が不十分だったために、約80年後に天皇を中心とする皇国思想が再起。戦後もその振り返りがほとんどなされなかったことが、現在のヘイトクライムや「うつろな」保守的国家主義につながっているのではないか。という問題提起にむかって深めた考えが展開されています。
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本書は、2017年に幻戯書房より刊行された『もうすぐやってくる尊王攘夷思想のために』に、著者の生前の意思に基づき原稿を補完し、増補としています。
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混沌としたいま読む必要がある本だと感じます。そして、「思考停止」というフレーズをよく耳にする昨今、「思考する」ことに触れることができる一冊です。
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ちなみに、二つ目の「300年のものさし」という講演録を読んでから、本書のタイトルとなってる「もうすぐやってくる尊王攘夷思想のために」を読むことをおススメします。
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・著 者:加藤典洋
・発行元:岩波書店
・発行日:2023年2月
・A6(文庫)判/542頁