海をあげる /上間陽子
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著者がこれまで身体で感じ、考えたこと、感じたことを文章にしています。それだけだと日記と同じようにも思われるかもしれない。眼の前で起きた出来事を順序だてて整理し、言語化をする準備をし、そして文章にしているのでしょう。書かれていることはとても平易な文章でありながら、ズシリズシリと重く響きます。
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著者が若い女性を対象にしているインタビュー調査と、まだ幼い子どもとの生活は、学術書では一緒には語られないでしょう。でも、エッセイであれば等身大の著者の姿が浮かび上がり、もがき苦しむ様子が伝わってきます。
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わたしたちが日々暮らしていく中では、苦しいこともつらいこともたのしいことも感情はごちゃごちゃになっています。その中で「なにを選び行動を起こすのでしょう」と投げかけられている気がします。時期をおいてなんどか読み直したい一冊。
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著 者 :上間陽子
装画・挿画:椎木彩子
出版社 : 筑摩書房
発売日 :2020年10月29日
四六判、256頁